雨降る中の恋の行方

伝えられない言葉だけを集めて書いた手紙の
伝わらない全ての言葉を数え、塗り潰し
茜色に染まった夕空を仰いでは
投函される直前の封筒を握り締めて一日の終わりに向かい
ただ手紙を届けたいだけの貴方の面影は想い出すことが出来ず
伝えたい言葉を想い出せないままに夜の闇に向かった

雨に打たれた恋は、いつも実ることがなく
記憶に残るのも、ただひたすらに冷たかった雨粒が背筋を伝い
二人で「冷たいね」とだけ繰り返し言ったことだけで
ただ終わるだけの恋を過ごす二人達のために
今日も雨は、冷たく降り続けている

雨が好きだと言った貴方は私の腕を抱き
柔らかく温かな胸を寄せて、こちらを見上げるが
雨雲と、降り続ける雨だけを映す瞳を見つめる哀しさに
私は強く抱き寄せ返すしかなく
抱き合うことで恋は終わるのだと知った

もしも私達が、もう少し長く生きることが出来るのならば
そして雨の降ることのない世界で生きることが出来るのならば
私達は恋を知り、恋に堕ちることが出来るのだろうかと
熱いキスを交わす向こうで降り続く雨に視野を奪われながら
そろそろポストの前に行かなくては、とぼんやりと考えていた
2012-07-29 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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