繰り返す波浪を夢に変えて

色を失ったままの風は
涙の色を求めて忘れられた渚に吹き
音を失ったままの波に出遭い
共なりに、うねる哀しみの音色を求め
果ての果てにある渚に向かう

眠りの色に戸惑い、眠りの音に驚きながら
覚めることのない夢の中では
風と波とが辿り着くはずのない渚に出遭い
ようやく取り戻した涙と哀しみを
それぞれの胸に、かき抱き黙ったままに
優しさの残り香漂う元の渚で、再び別れる

決して繰り返されることのない夜だけが
本当の夜に変わり闇となるように
決して繰り返されることのない涙だけが
本当の涙となり、哀しみとなり
永遠に優しさを失うためには必要だった

別れを告げる暇のある別れは再会を確定し
気付かれることのない別れだけが本当の別れとなり
全てを覆う理由のない虚無となって
出遭うことの恐ろしさに震える朝を与え
全ての世界から、別れと出遭いを消してゆく

言葉にならない言葉を抱いたまま
私達は世界に何を訴えかけようというのだろう
哀しみにならない哀しみを抱いたまま
私達は世界の何に涙しようというのだろう
2012-08-03 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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