通り過ぎられるだけの土曜の憂鬱

日曜を忘れた土曜の夜が疲れて時を数え始め
ただ土曜として過ぎることに、ささやかな抵抗を始めると
点灯することに飽いた蛍光灯は灯りを捨て
一秒一秒を報せることに飽いた時計は刻針を捨てた

ポケットには、まだ金曜が残っていて騒がしく
土曜と、土曜の蛍光灯と土曜の時計と
土曜の色々なもの達に聞こえそうで
そっと掌を膨らませて覆いながらコーヒーを飲む音に紛らせると
熱さに溶けそうな口中は、何が問題なのかと抗議する

月曜の疲れ切った背広を想い出し開けたクローゼットでは
眠っていたシャツが寝ぼけたまま怒り
寝ぼけることも出来ない背広を指差したので
コーヒーを含んだままの口中も少しは納得して静まり
もう一口なら付き合っても良いと言う

受付のお姉さんが綺麗だったのが確か火曜で
地図を調べに調べたのは水曜で
約束を交わしたのが木曜だったはずだけれど
約束を果たす予定だった金曜は来なかったはずで
そのまま迎えた土曜は、なんとも厄介だね

そう、ぼやくと時を数え始めていた土曜が振り返り
日曜なら全てを忘れさせてくれるんじゃないか、と言い
土曜の全てが、その意見に同意して、そうだそうだと続き
そんなものかと想い始めた頃にまどろみが訪れると
ちょいと忘れた振りをしていただけさと
土曜が悪戯な微笑みで言い残して去って行った
2012-08-16 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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