水音は常に、どこか遠くで響く

過去に流された全ての涙に花を贈り
過ぎ去った哀しみだけのために並ぶ墓標と
これから流れる涙と、訪れる哀しみと
それらの狭間にのみ蠢く愛という偽りの中に立ち
愛にのみ産声を向ける優しさを愛した

遠い水の音が、いつも優しい囁きであるように
偽りは常に遠くを過ぎ去りながら風を求め
しかし風は哀しみのためにだけ哀しみの横を吹き抜け
風に置き忘れられた存在としてのみ私達は
花を手向けることを許される

水の愛した風の音は風化した石に封じられたまま
月の光る夜だけに流れ星として空を駆け
音を遠ざけた水の一滴が夜空を覆い尽くしては
流れ星を隠し、眠りの傍らでそっと囁くのだ

過ぎる時は留まりを音に与え
過ぎることのない時は音を自らとし
その三分の一を水に、その三分の一を風に与え
残りを抱いたまま眠り続けている

水が風を求め、風が水に応えようとするのは
共に過ぎることのない時に音を奪われたからで
二つは音を伴わない囁きを眠りに与え
囁きに包まれた眠りは流れ星とともに夢を駆けている
2012-08-19 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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