無題

風を追い薄れゆく雲の哀しみに
雨という非情が降り注ぎ
行く宛てもない川が流れ始め
波に疲れた湖面が漣立つと
山を越えて、その月は独りやってくる

傾く夕陽は沈むにつれて強く輝いては
月明かりを消し去って空に置こうとせず
まだ来ない夜は水平線の向こうに静かに待ち
その月は独りきりでやってくるのだ

紅く染まっただけの空に
輝きを捨てさせられた星達と
独りきりで空を跨ぐ、その月と
激しい優しさで去るまいとする夕暮れと
それらを見守るしかない私達と

雨に澄んだ空気は胸に心地良く
空も、あんなに遠くまで見通せるというのに
あの月よりも小さな雲が一つ
風を求めずに浮いている

いつかは沈むだろう夕陽より紅く
まだ光り始めたばかりの月より淡く
輝きを捨てた星よりも儚く

風を求めることを捨て、哀しみを捨て
肩を並べる孤独に沈みゆく私達の瞳の中で
小さな雲は中空に浮いたまま
私達の哀しみを漂っている
2012-07-28 03:17 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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