ダム向こうの景色を知らない

誰に気付かれることもなく
吹くだけで哀しさに変わる風を数え
地平線まで引き伸ばされた影は石畳を焼き
虚しさを日々に変えるだけで
めくられないカレンダーを胸に抱き続けた

寂しさを追って流れる川でさえダムに堰き止められ
決して下流に届くことはないというのに
昨日、投函した手紙が誰かに届くことがあるはずもなく
昨年、投函した手紙が律義に郵便受けに届き続ける

全ての風はダムで堰き止められ
下流の街に吹き込むことはないままに
ただ気紛れに平坦な山を登る
死に掛けた犬が潤そうとする渇いた喉を過ぎ
耳慣れた風音に似た哀しみが風の代わりに泣くだろう

ダムを探す歩幅は影を踏み越えることはなく
影の哀しさに支配された歩みは止まる術を置き忘れ
ただ風に吹かれることのない足跡を点々と残し
一番星の光が差し込むのを待ち続けている
2012-09-02 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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