遡る季節のように

ある冬から、ある冬へと
ただ過ぎるままに過ぎていった季節
その軌跡を正確にトレースしながら遡る季節
その遡る季節の一片となって
貴方の傍らを通り過ぎたい

山が染まることなく、海もはしゃぐことなく
虹が架かることなく、花も咲き誇ることなく
ただ風の色が変わりながら音もなく吹き
ある冬から、ある冬へと

一冊の白紙の本を携えるだけで
何も書かないままに過ぎて行った季節
ただ過ぎるままに過ぎていった季節
貴方の傍らに常にありながら
気付かれることのなかった季節

その間に挟んだままに置き忘れてしまった
ささやかな優しさだけを携えて
遡る季節の一片となって
貴方の傍らを気付かれずに通り過ぎたい

貴方が熱心に読んでいる本から目を逸らし
ふと微笑みを零してしまうように
遡る季節の一片となって
貴方の傍らを気付かれずに通り過ぎたい
2012-09-05 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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