風の絶えた街を歩けば

開け放たれた窓からは風が入って来ない

そんな日には人影の薄い街を歩き
稀には擦れ違う車が、ゆっくりと過ぎ
寂しさに萎れた花に出遭い水遣りをする

もう一度、風の入って来ない窓を閉め
そうして、ようやく風の吹き始める部屋の中に
それでも哀しみは満ちるか

下り坂を転がらないまま
幾年も放置されたボールは球体なのか
子供が戯れに軽く蹴るだけで
人気のない草叢に消えてしまった

部屋という部屋から漏れるだるさ
風の絶えた街は、哀しむには疲れ過ぎていて
誰もが蹴躓くことすらない速さ以下で過ぎ
だのに互いの顔を見ることもない

温かな優しさの対極は冷たさではなく
街に満ちた、このだるさで
私達は哀しむことなく疲れ切った夜を待つ
2012-09-17 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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