本当の優しさを、下さい

前に進むでなく
後ろに下るでもないままに
ただ几帳面な正確さで靴音が響き
徘徊する夜を支配してゆく

頬伝う涙を星明りに変えながら
夜は世界を覆い、そして世界から剥ぎ取られ
行く宛をわがものにすることはない

それでも夜は訪れるのだ
望みもしないままに私達を切り裂いて
僅かな隙間さえ見逃すことなく
夜は私達に訪れるのだ

だから優しく囁かないでと
願わずにはいられない
その切り裂かれた時を過ごす術を
私は終に知ることが出来ないのだから

それでも響く偽りの優しい声が
私から一瞬の夢さえ奪い去り
訪れるはずの夜さえも奪う

私が夢見てしまうもの
その夢の欠片の一片も残すことなく
冷徹な残酷さで奪って欲しい

二度と夢見ることのない夜を迎え
独り切りの眠りに落ちる迄に
夢見てしまった全てを剥ぎ取ってはくれまいか

その偽りを全て残酷さに変えて
もう二度と夢のない眠りの中に
私の全てを投じてはくれまいか

ほんの一欠片だけが残る限りは
靴音の響きが止むことはなく
私は忘れ得ないことの中に留まり
永遠に眠れない夢を見続けてしまうから
2012-09-28 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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