行く先なく波打つ海は

極北の不凍海がユタリと波打つと
言葉にならない哀しみだけを風が吹き
貴方のいない景色が忍び寄り始めた

正確さを失ったままの時計が鳴ると
その音を合図に鐘が打たれ
呆れたままの街が鐘の音に従うが
街に置き去りにされた私達は
時のない景色だけを歩くのだった

隣行く人の靴音が遠過ぎて
私達は互いの距離を知らぬまま
孤独の愛を渡す相手を見出せず
噛み締めた唇から流れる血の味に涙する

置き忘れられた手紙の復讐は激し過ぎ
私達は、そのテーブルにさえ近づけない

開かれないままの手紙の中では
音のない海が、いつまでも誰にも知られず
ユタリと行く先なく、波打ち続けている
2012-10-05 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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