石碑を刻む丘、遥か

揺れる葉に風が吹き、揺れない葉にも風が吹いた
流れる雲に風が吹き、流れない雲にも風が吹いた

降らない雨の雨音が遠くで響くと
陽を遮る者達の影は路面に横たわり、張り付き
実らぬままに落ちた果実が腐ることが出来ず
帰ることの出来ない大地に埋もれようとしている

石碑を刻む音が響き続ける丘には緑が敷き詰められ
風は吹かず、雨も降らず、陽も差すことがない
ただ誰かが拾った実らぬままに落ちた果実の一つが
石碑の見えぬ場所に置かれているだけだ

そして背中を押すように風が吹き始め
頬を打つ小雨が雫となって流れ落ち始め
誰もが押し黙ったままに何も無い空を見上げ
止めていた歩みを少しだけ進めては
消えてゆく緑の中に、深く沈み込んで行った
2012-10-16 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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