夕景の手紙と便箋と

山間を垂直に昇る蒼月の軌跡に
水平に伸びた虹は触れられず
クロスしない十字路が虚空を埋めている

橋を渡る時、河に沿う舟を横目に見遣り
辿り着けない向こう岸を見ずに
上流からの冷風に凍る橋の感触を確かめながら
ただ、にじり進むだけにしたのだ

届かない手紙に、時折は真実が潜むので
読まれない詩を刻んだ石碑に口づけをして
その上に載せた白紙の便箋を投函する

目頭を拭った指で閉じた封筒は届かないままで
空の便箋だけがポストに届くが、それで良い

もう月は山陰に隠れ、その軌跡も分からない
千切れた虹も彼方へと移ったことだろう
ただ紅いだけの空に紅い積乱雲が立ち上り
届きようのない空を目指して広がり始めていた
2012-10-23 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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