アルミ缶の空

それと知られることすらなく
路傍の空缶は蹴り飛ばされ続け
何度も繰り返される記憶されない哀しみに
ただの平らなアルミ板となった

路面に張り付いてさえいれば
蹴り飛ばされることはなく痛みもないが
ただ雨に打たれ、降り積もる雪を背負い
風に舞い飛ばされて叩き付けられ
そして幾度も幾度も、形が無くなるまで
あらゆるものに踏み潰される

塗装の剥げ落ちた跡には
それでも美しい青空や流れる雲
哀切に満ちた夕暮れや星満ちる夜空が映え
名前など要らぬと想わないでもない

語り掛けられることを拒絶し
独り空の美しさを、その瞳に映しながら
誰一人振り返ることもなく踏み付けてゆく
そんな、ただの光るアルミ板であれば
きっと哀しむこともなく済むだろう
2012-10-24 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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