霧中の手紙

吹雪く北海で立ち上る、霧の哀しみとなり
星明りの下を漂いながら哀しみの霧となった

求めても得られぬ月明かりに涙を結び
その頬を伝い流れる哀しみの霧は
光の中の闇を作って独り待つ

窓の隙間から、中々、霧は入ることが出来ず
それでも冷たい硝子に冷やされて
少しづつは大きな粒となり、流れては
積る哀しみの霧は役目を終えるのか
ほんのり暖かいだけの暖炉の熱にすら蒸気となって
も一度、漂い始めるのだろうか

海の哀しみすらが追い越す速さで
霧が窓に当たる音が絶え間なく
夕暮れを忘れたままの眠りを妨げ続け
貴方の背に押し付けた胸の覚えた温もりは
記憶に変わる前に涙になった

冷たい夜に横たわって読む手紙には
溢れんばかりの文字が並んでいるというのに
想い出したいことの一つも書かれてはいないし
ただ少しづつは忍び込んだ霧が湿してゆく中で
凍るためにだけ、溶けてゆくのだった
2012-10-29 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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