言葉が北を目指しては歪になり

樹氷のように立ち並ぶ言葉達が
溶け始めたばかりで凍り始める夕暮れに
伸びる影は歪さを増すばかりで
雪煙の中に消えることで美しさを求めた

美しくありたいと北にあり
しかし凍り付いたままではいられずに
伝えられることを拒否したままの言葉達を胸に抱き
託す想い一つすら凍らせることが出来ず
ただ歪んだ言葉を手紙に移しては火にくべた

一欠片でも書き記せるものならばと
冷たい月明りに言葉達をかざすと
プリズムを透過した光は
屑だらけの街にすら妖しく美しく
それでも街は不実な喧騒に呑み込まれてゆく

穏やかな微風に揺れていたタンポポを愛でていた少女が
唇に紅を引き、眉を整え、髪をすいては夜の街を想い
一時の愛を語るためだけに足早に部屋を走り出て
置き忘れられた言葉が、そっと風に舞い
やはり北を目指して遠く空を飛び交い始めた

風が、ひたすらに冷たく凍えてゆく時間
街は貪欲な言葉達に餓え、いよいよ熱を増し
言葉のない言葉だけが通り過ぎる街の隅で
吹き溜まって行先を失った風の中に
ただ立ち尽くし、空を駆ける風を追っていた
2012-11-01 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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