交差しない夜を分け合いながら

とうに吹き止んだ絶望する力を失った風が
光に見捨てられた虚空に深く抱かれ
再び優しく吹く時は
夜空も哀しい歌を奏でてくれる

喪失の果てを知らぬままに
失い続けられた全てを掌に乗せて歩くと
遠い空から降り注ぐ歌に打たれ
地に伏して、その途切れる先を見たくなる

尽きぬ慕情に急き立てられて
滑稽なだけの哀しみが口ずさむ歌を探し求め
終わることのない夕暮れに置き去りにされたまま
夜は独りきりでやって来る

希望を求め得ない朝陽に
夜に降った小雨の漂う空が懸ける虹は
その先に何も持たないままに、ただ美しく
薄れゆくばかりの命すら捨て去っている

そして何事も起きない日常が過ぎ
私達は虹を仰ぐことすらないままに力なく
風の吹かない夕暮れに交差しながら
知らないお互いの夜を与え合う
2012-11-03 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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