枝先を見詰めることのない視線

赤蜻蛉が先なのか、秋が先なのか
秋が先なのか、赤蜻蛉が先なのか
ありふれたことを想うでもなく想い浮かべながら
枝先に一匹だけとまった赤蜻蛉を見詰めていた

空は確かに高く青く秋らしいし
肌に触れてゆく空気も冷たさを交え
風に震える想いもする

それでも影に背を向けていれば
伸びるはずの影は見えないままで
ただ明るいだけの地面が光っている

音もなく落ちる枯葉は微風にすら舞い
その翻弄される様が世界の全てを物語り
平凡なだけの日常と非日常との境には
哀しい曖昧さが満ち過ぎているのだ

所詮は虚構だけで構築された世界の中で
紅く染まる空に赤蜻蛉が一匹、飛び出して行き
行先のない視線だけが
いつまでも空の枝先を見詰めていた
2012-11-07 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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