星の光を読もうと佇み

一頁一頁、几帳面に捲られながらも
書き記されることなく閉じられた日記を開くと
星の光が零れ落ち、蛍となって飛び散り
雪となって降り注いだ

それらを追い、手に取ると
蛍は光ることを止めて、ただの甲虫に戻り
雪は冷たくあることを止めて、ただの水に戻り
星の光は月明かりに紛れて消えた

追ってはならない時が過ぎたというのに
まだ白紙のままの日記を閉じることが出来ず
茶けた紙面を指でなぞると
遠い優しさと哀しみが綯い交ぜになって
静かに風となって吹き始めた

優しさを求めてはならないし
哀しみにしがみ付いてはならないし
過去を想い出しても詮無いしで
更ける夜は、静かに月を抱いている

もし一言でも記してあったなら
こんな夜を迎えることはなかったのだろうかと
戻っては日記を捲ろうとする風に吹かれ
それでも、そのページを開いたままに
月明かりに消えた星の光を探すのだった
2012-11-23 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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