去った月と居並べば

池に落ちた月が小波に壊れ
直ぐ傍の池端に手を伸ばしても
壊れたままに動けず
小波だけが静かに池端を打っている

池に注ぐ泉の音は微かで
星明りにさえ紛れ込んでしまい
柔い葉すら揺れることのない
微風にさえ運ばれ去るのだった

幾度も繰り返す哀しみを
その柔肌に包み込んで
ただ夜空は暗く、闇に沈み
向ける宛のない想いとともに
星が巡ることを許している

やがて来る朝陽は紅く侵し
厚く低い雲を携えた青空からは
幾筋かの光柱を地に落とし
その中には、あの池もあるのだけれど
月は既に去って久しい

池端に座ると時折、顔を掠める陽の光
そこに暖かさを感じる程に
涙が止め処なく流れ
池端に届くことのなかった月と
少しだけ肩を並べた気がしたのだった
2012-11-24 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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