季節変わりの祈り

透き通った水が田に引かれた田植え前
静かな狂気を帯びる程に清冽で
空さえもが映ることを躊躇うように
すっかり葉を落としたはずの落葉樹には
虫に食い尽くされ葉脈だけの葉が残る

細く枯れたような枝向こうには
青い空が広がるのだろうか
スカスカになった木が独り畑に立ち
寒さに震えるのを待つ間もなく
大粒の雪を伴う強い風が吹き始める

霜に彩られた一枚だけの葉脈が
徐々に雪中に消えてゆきながらも
通う木の命はあるのだろうか
大地に戻った仲間達は深く雪中に沈み
ただ独り、雪上に舞うことすら
許されはしないのだろうか

火種の絶えた暖炉を抱えながら
曇ったガラス窓の向こうには
春を含まない冬が優しい拒絶を振り撒き
私は独り、言葉に出来ない言葉を探し
少しだけ深く眠りに就く

季節の変わり目は、いつもそうで
私達は、それぞれの孤独を抱えたままに
言葉に出来ない言葉を探し
共有出来ない、少しだけ深い眠りの中で
いつか見た同じ夢の中で出遭うことを祈るのだ
2012-12-08 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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