雲色の空の下で

雲色の空が見せる風で
渇くことを忘れた街には
歩道脇に身を寄せて寝転ぶ男達を他所に
イルミネーションが色付き始め
偽りの囁きが溢れ出す

雨雪に、行き交う車両に
引き千切られた新聞紙の欠片達が
紙吹雪のように微かな風に吹かれ転がり
二人達の間を冷え切って通り過ぎるのだ

硬い足音が冷たさを物語っていても
温かさの幻想が覆い隠してしまう
要らぬ酒を飲み過ぎるのだ
要らぬ音楽が流れ過ぎるのだ

ビルの屋上端には少女が独りフェンスを越え
今は見えない雲色の空を仰ぎ、諦め
覚えているよりも雲色のアスファルトを見詰めている

それら全てに気付かぬままに
降り始めた雪が一片、その頬を撫ぜ
少女は雪に濡れながら温かな家路を想い出し
要らぬ音楽にスキップを乗せて帰るのだった
2012-12-15 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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