冬陽だまりの中に忘れ、眠り

一つだけ残った水溜りの薄氷が融けないまま
陽だまりの中に光り続けている
乱反射する空は青く、白く
閉じ込められた枯葉の色は、分からない
土の色も、分からない

側を通り抜けないまま立ち止まった猫が
微かに融けた氷の表面を舐めていたが
冬に疲れた毛並みは乱れていて餌を探すアテもない
温かな車のボンネットに丸まっている

置き忘れられた渡り鳥が一羽
やはり餌のない小川の中に片足で立ち尽くし
陽に向けた瞳を閉じがちに伏せたまま
忘れた仲間達との記憶を流れに乗せて送り
その流れの上流に独り、残り続けるのだ

山から下ってきた大岩は
もう少し先の幅広の大川の中に深く沈んでいて
山から奪われた時を越えて微粒だった頃を想い出し
もう少し流れに打たれ、散ることを祈っている

種子たちは、まだ遠い眠りの中にいるのだろうか
その息吹を背に感じながら寝転ぶ土は不思議に温かく
誰も来ない、そこだけを居場所として
短いだけの冬を、それぞれがしのいでいた
2012-12-18 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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