街境で哀しみは

見えぬままの岬に向けられた瞳を
青い空が満たし、雲が横切り
陽は差すだに砕けたグラスのようで
静かに時計の音だけが響いている

堰堤を渡ると、時が垂直に流れ
置き去りにされた枝葉や石
諸々のゴミと私達の記憶が混じり
過去は失われたものとして泣き続けている

川面は変わらない波をうねらせたまま
素知らぬ顔で常に変わりゆくが
川端の花は咲いては萎れ、やがては枯れ
何もなかったように踏み付けられている

それでも街は賑やかな喧騒を止めず
夕暮を知らぬままに明けぬ夜を楽しむ声が
いくつも聴こえてくる

街境とは、きっとそういうものなのだろう
誰も知らない夕暮れだけが、いつも空を漂い
そっと見上げる、いくつかの瞳だけが
忘れたい哀しみを共有していた
2013-01-08 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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