聴こえない祈り

もう、とっくに乾き切った
血がこびりついた小石を見詰め
じっと動かない男を近景に
遥か、遠い山並に陽は向かう

血と一つになった小石には
川縁の草叢に遮られ
たゆらな川音も届くことがないだろうが
高台の土手には微かに響いてくる

気付けば男は両の手を組み
暮れゆく陽を仰いでいるようだ
その背は小石より小さく
その祈りだけが光っていた

祈りを聞届けるものが
もし、いるとしたならば
それは天使だろうか、悪魔だろうか

早目に昇り中天に至った月は
静かに、その様を見守りつつも
纏わり付く星達を追い払うように
陽の後を追っている

やがては空も山も
男も小石も川の流れも闇に一つになり
全てが消えてしまったように
聴こえない祈りだけが残されていた
2013-01-29 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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