空に触れると、シルクのような手触りで

鉄塔の先端が引っ掛かると時の不快が増し
ただ青いだけだった空のカーテンが歪み
空の波紋が淡い雲となり広がり始めた

丁度、車が峠に差し掛かったところで
狭い海が、これから見えようかという
その期待に似た哀しみが車中には立ち込めていて

トランクの中の詩集は
いつまでも読まれることを拒絶するばかりで
嫌気と苛立ちから降車について話していたのだが
どこまで行けば車から降りれるのか
好い加減、疲れ切りながらも私達は黙って
地上を見ることのない空の下を駆けていた

鴎の鳴声が嫌いと彼女は言った
波だけの海が見てみたいとも

私は波音の記憶しか探し出すことが出来ず
峠を見捨てる方法だけを
裂かれゆく空を見ながら、ぼんやりと探していた
2013-02-08 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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