鉄道屋:備忘録

「鉄道屋(ぽっぽや)」(浅田次郎、集英社文庫)

浅田次郎の直木賞受賞作、短編集。
涙モノとしては「鉄道屋」「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」の四作。
なんか悔しい気もするけど、滅法、涙モノに弱い私は四作全てで泣きました(苦笑)。
どれを一番に据えるかが人によって異なる様が解説に書かれている。

敢えて言えば、私は何故か、圧倒的に女性支持者が多いとされる「ラブ・レター」。
体験に基づく作と本人が書き、恋愛小説と解説されているが、
恋愛小説という感じは受けなかった。

四十がらみのさえないチンピラ稼業に就いている吾郎。

人生の半分を越えようかというときに、
自分の汚わいに満ちたなりを自覚してしまうことは辛い。
「どいつもこいつも、みんなふつうじゃねえんだ。」
という吾郎の電車中での叫びは悲痛で身に迫る。

「ふつうだよ。どうもしちゃいねえよ。おまえらがみんなふつうじゃねえんだ。」
直前に置かれた言葉が、「ふつう」じゃない自分に対する苛立ちも含むように感じる。
辛うじて、亡きパイランを通じて「ふつう」に戻りたい痛切な想い。

事実として今の日本(人)にあること、あり得る物語。
魂を穢すのは当たり前のことなのだろうか?

2006-08-10 11:52 : 実験中&備忘録 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補