雪の降った翌朝には

夕暮時、グレーの絵の具を均等に伸ばしたように
のっぺりとした雲が空を一面、多い尽くし
冷たさだけが広がる大地に動くものはなかった
ただ、凍ったままの風が走り抜けるだけだ

そのまま眠りに就くと除雪車が通る夢を見た
音も無く路傍に黒ずんで捨てられた雪が重なり
美しく輝いている樹上の雪を恨めし気に見上げている

どれだけの寒さを堪えているか、知りもせずに
樹上の雪達は路上に落ちることを怖れ慄きながら
雪原に、ただ白く広がる雪を恨めし気に遠望した

この寂しさを知ることもないくせに
雪原の雪達は互いが圧し合う孤独の中で
黙ったままでいるしかないままに

延々と繰り返される羨望と反論は
言葉にすらなっていなかったはずなのに
妙に冴えた記憶に残る夢として覚えている

朝方、全ての雪を越えて開く窓の音がし
雨戸を開いてみると雲一つない晴天で
あまりに暖か過ぎる陽の光に晒されて
全ての雪が雪でなくなるチリチリという音とともに
誰も彼もなくなってゆくところだった
2013-02-23 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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