無題

月の昇り口まで伸びる波打際を歩き
消えてしまった水平線を想い出しながら
遠ざかる白波をなぞっていた

身動き出来ない深海に沈めた時を開け
夜を閉じ込めてきたけれど
海を覆う夜空は星に満ちていて
零れる光は、波が抱き締めながら揺れている

海の息遣いを間近に感じながら
白紙に引いた海岸線を歩くと
知らない波音が幾度も繰り返し
静かに流れる涙の音に変ってゆく

気付かれないまま佇んでいる岬の舳先に
寄港した帆船は出航の時を忘れ
ただ誰も知らない風に吹かれながら
いつか見るだろう星の光を想い出そうとしている
2013-02-19 09:43 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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