忘れる街角の微笑みを

壊れたままの部屋と時計を胸に
濡れることのない雨の降る街角で
臆病な優しさを抱えて出遭うけれど

永遠に連なるサヨナラも知らぬまま
手を振る姿も背中も見せずに
それだけが変わらぬ波音が
闇の中に薄れ、消えてゆく

声を失った言葉を光と影に
表情を失った横顔を背景に引き渡し
空っぽの心情だけが
完成するパズル・ピースなのか

暗闇に大きく開いた洞穴に手を差し入れて
掴むものを季節と呼ぶには、いつでも早過ぎ
それでも暖かい雪のようで
このまま一層、一緒に溶けてしまいたくなる

街角の終わりを歩き続ける面影を
追うことなく朝陽は昇るから
別れを奪う残酷さで街は光を取り戻してゆく

出遭いと別れを同じものとして
黙ったままの街灯りを旅立ち
取り戻した明日を歩き始めよう

流すはずだった涙があったとしても
もう、とっくに乾き切っていることに
鏡の奥に潜んだ瞳は静かに気付き
微笑んでいるんだからさ
2013-03-05 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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