思案しながらブランコは揺れる

紙面を滑る音だけは、あるいは真実かもしれない
いつでも男は、そう言い残すのだったが
最後の別れでは、やはり、それすら嘘だったと書き残した

既知の草原を吹くまでは、風は風にならず
未踏のジャングルに生えることで樹は密林を生み出し
その間で佇むことで時の刻まれる音を聴くことが出来るが
海と水平線の間で私達は出遭ってしまうものだ

時の反射する瞳を外しながら視線だけは
視線の先だけは動かない様に細心の注意を払っているというのに
交錯する視野と視野とを外そうとしているというのに
重なることが別れを決定付けると知っているから
私達の視野は重なってしまうのだろう

何が動いても揺れてしまう
止まることの出来ないブランコだけを置く公園で
その、揺れるリズムが共有されないままに
私達は背合わせに腰を委ね
交互に違ってゆく空に足を跳ね上げる

そうして揺れるペン先の音は静かに止まり
書くことの意味を問うことが止まることを知り
私達は揺れるまま眠ることを許される

等身大の彫刻を想い描きながら
直径にして1メートルほどの穴を開けた壁に凭れ
その穴の闇の中に入ろうかどうか思案しては夕暮れを苦笑し
笑うことを忘れて久しいことを想い出すと
微かな虫の音が穴向こうから囁くように響いてきた
2013-04-19 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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