蓮上の午睡

私のいない海は旱魃する
どこまでも居並ぶ塩柱を突き刺されたまま
苦く光りながら旱魃し、渇望する

更なる私の不在、更なる私の希薄
限りなく零次に近づく塩柱の集約
忘れられた海として光る忘却

渇望は尽きることなく急き立て
ついに私は蓮上の午睡に追い遣られてしまう
深い泥濘の上に巣食う波の音を連れ
私のいない海の潮風と共に

文字の霞んで見えない道標を前に
少しざわめく低木達の緑の中に
そうして、私は辿り着く

装備すべき何ものというものもなく
心細さに粟立ちながら座り込むことも出来ず
歩き出すには足りない青さの空を睨み
恨むべきものとして差し出された空虚さを噛み締め
辿り着く

忘れる術を持たぬ者達
その末路の一例として
私のいない海は今でも旱魃を酷くして
こんなにも暖かさに酔い痴れる午後の私さえ
遠く、ただ薄いだけの蓮の上
その午睡に追い遣ってしまう
2013-05-03 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補