夕暮で加速する歩みで

終焉に至るまで、せめて百年は掛かる交響曲を尋ねていた

過ぎてから聞いた一言
「そこの角を曲がる前に・・・」
煙草屋にいたはずの老婆の声が耳に残り
振り返れば煙草屋もなく
ただ埃まみれの道だけが夕暮れている

向き直ったとて角などない
振り向いたほどではないものの透いた道が
夕暮れ掛けながら伸びているだけだ

玄関を跨いだのは夕暮れを感じたからで
それから、どれほど歩いたろうか
朝と昼、夜だけを忘れているかのようだ

過ぎる街並みからは想い想いのメロディーが響き
身を包む産毛が、ある時は共調して
ある時はリズムに乗りかねて
いずれにしても風にそよぐように揺れている

終わりが見えない、ゆったりとしたカーブに差し掛かると
いつ始まるとも知れない艶めかしい曲線に下りながら乗り
歩みは少しづつ速度を増し、歩幅も広くなっていった

煙草屋を過ぎたのがいつだったのか
尋ねるべきものがなんだったのか

少しづつ増してゆくスピードが
それら全てを優しく運び去ってゆくのを感じていた
2013-05-08 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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