抱かれる前の化粧台

壊れたままの叫びを電線に掛けて
初夏の夕雲を切り裂いたまま
知る由もない場所に行くのかしら

カラスの啄むように街を歩き
足音だけに縋り付く新聞を拾っては
物憂げに煙草に火を点けて

時折なら電飾にも照らされるから
その横顔を見せることがないではないけれど
架線トンネルの向こう方では
その面影は、やはりぼやけ過ぎていて

車のエンジン音が嫌いと呟き
ワンピースを脱ぎ始めると
窓を一層、大きく開いて、そんな光景を写す

シャワーの音が乾いたまま響く中
振りをするだけで漂う紫煙と
ゆっくりと止まろうとする天井の扇風機

愛そうと決めたはずの時間だけが溶けて
下水道に消えてゆくみたい
2013-05-12 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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