海際を這い上がる土塊

月の昇らない夜を迎えると猫の鳴声で犬が吠える
遠吠えの消える間際だけを犬として吠える仕方で
男の頭上だけを月が大きなって通り過ぎる仕方で

ブロック塀に沿うと、どこまでも続いている気がする
私と犬とはブロック塀に寄りかかり、それを散歩の全てとする
散歩の横を猫が通り過ぎ、犬と入れ替わる
そのときに入替った犬が吠えているのだ

雨を遮らない傘の下で、濡れまいとする私達は濡れることがない
薄桃色の乳首をシャツに透かすあなたを抱き締め
留まらない雨滴を張りつけたままの首筋に唇を這わせられ
私達は抱き合い、濡れまいとするままに濡れることがない
雨音はいつ諦めるのだろうか、私達の無言を

夜の空を駆けるように海と空の間を駆ける星屑
その速さを計ろうとして沈没し続ける陸上の船
穴だらけの船にだけ乗ろうとする水夫
水夫を見送る時を待ち続ける私達の無言
無言を糧に降り止むことがない雨の季節
忘れるだけのことを忘れた途端に想い出すと
流れることのない涙が行先を失ったまま現れるのだ

接続しないまま放置されたホースが丸められたまま劣化し
その中で私達の全てを繋ごう
繋がれた全てをホースから放出しよう
猫の鳴声で犬が吠える仕方で
どこまでも続くブロック塀に寄りかかる仕方で
2013-05-26 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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