光る大地を去る、春

春の去った後の散歩は川べりを往くか
綿毛に見捨てられたたんぽぽの側にしゃがもう
砂利に覆われた根元を見つめるために
陽中に生きたまま死ぬことを知るために
聴こえない距離でだけ叫ぶ、あの人のために

ゆがんだまま光を透過するガラスを撫でると私は透明になる
散逸する、その光の粒、波と一つになるのだ
そうして遡る光の起原を知ってはならない
そうして辿る光の全てを知ってはならない
透明になるとは、きっと知らないことだけになることだ

息切れを走ることと想い込んだまま走り続ける息遣いが停止する
停止した息遣いだけが走り続けている
愛さなかった記憶だけが過ぎ去った春の中に戻り始め
新しい季節を見送っている

改行することなく書かれる詩の終わりを問われると
吹く前の風にノートがめくられ、最後に閉じて答えとなる
いつか、ただの光-それは粒でも波でもなく、きっと光ることのない光-に包まれた私は想い出す
祈ることすら許されずに大地に戻る全てを
大地に戻るために祈らなかった全てを
2013-05-28 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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