憐れみの小鳥達は飛翔する

一時の慰めをあたえてくれる、その手から飛び去り、一羽の小鳥は何を見るか

古代から連綿と伝わる呪詛を繰り返す老婆の曲がりくねった背中
愛の偽りを糾弾し、愛の真実を糾弾する詩人の口の中
朽ちた古木の洞の中に凍える沈み忘れた月の光
巣立つことを忘れたまま干乾びた自らの幼い姿

想い出すのは、いつもヌメヌメとした、その中で蠢いていたこと
見たもの、見るもの、あらゆるものがあった、その中
冷たく光る表面をくすぐる羽毛

涙することを許さない抒情を歩み
ただ祈られるだけの神像の破壊される様を飛翔し
至高の愉楽の中に舞い降りれば
やはり、そこは手であった

すり合わせる手と手との微かな響き
私は小鳥を飛び立ったのだ

雄々しく、その背に手を回し
激しく犯す雄の徴を振りかざしながら
懐かしい抒情を打ち砕き、雄叫びを嗚咽に替え
それでも捨て切れぬ-それを憐れみと呼ぼう-
憐れみを以て、あなたの胸に抱かれるのだ

その偽りを聴こえぬ小声で訴える力しか持たないまま
艶めかしい唇の紅色に照る光の先を見出すように
つながらないまま終わるだろう夜を刻む時計が逆回りするのを見ながら
飛び去る直前のように組しだかれ
終わらないだけで始まる夜の帳の中に引き込まれ

いつから繰り返されたとも知れぬ悦楽と懲罰と
ただ歩くだけで終わる命の儚さと
抱くだけで壊れる偽りと真実とで出来た愛と
どの二つにも、三つにも裂かれ得ぬ貴方の瞳と
転変だけで築かれる貴方の心と

終わらないまま移り変わる季節の折り重なる中
微かに記憶される泉のさやけき響き
その唇から漏れ出でる、愉悦の響き
その響きの中に閉じ込められようと激しさを増す私
もはや飛び立つことからは遠ざかり、もがれた羽を数えるように
その愉悦を奪おうとする、私
2013-06-12 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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