初夏の私と貴方

古木に寄り添い耳をそばだてると流れ込んでくる時間や記憶が好き
見えない雨の雨音を聴いているようで、この上もなく静か
時間と記憶とは、時折、混在してしまうけれど
その度に鮮やかさを増して心地良い目眩を連れてきてくれる
 私の時間は消えてしまったの、記憶の中に
 私の記憶は消えてしまったの、時間の中に
それが偽りのない私の時間と記憶だけれど誰にも言えない
二つとも私だけのものにしておきたいから
そんな時に、あの古木の側に立って少し、恥じらう
その後に、本当にそっと静かに寄り添って耳をそばだてる
神話を創ったこと・・・天高く掲げた手、地を轟かす足踏み
最後には妖精たちの舞を見ながら召されました
そうこうしているとパチン!と音がする
気付かないように近づいてきて蚊を叩く音が
手を開いて吸ったばかりの血を見せる貴方は嫌いです
その血を拭かないでと想ってしまう
私の中になくてもいいじゃないのと想ってしまう
貴方は私を古木に見立てて寄り添い耳をそばだてる
私の中には時間も記憶もない
貴方の中には何も流れ込んでゆかない
遠い花火の音が消える前にキスをして私は誤魔化す
私の身体を与えましょう
それが私の貴方に対する愛です
私は貴方の時間と記憶の二つをもらうの
貴方からなくなるようにではなく、貴方には貴方にと残したまま
だから、その胸に抱きしめて下さい
古木のように静かに立って!何もしないように、立って!
2013-06-17 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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