グラデーション 16時~おおよそ夜

壊れた空を愛でながら新月が空を跨ぐ16時
山並は朱に染められるのを躊躇いながら警笛を響かせ
波打際は古代の砂を飲み込もうとしている
とうに浸蝕の始まりの過ぎた貪欲な時間
 めくらましされた歩みが街に満ちる
 時計の刻む音をアテにしてはならない
夕暮を間近に大きくなるグラウンドの声は若く
校舎に響くトランペットは勇壮さを増してゆく
懐かしい写真の幾葉かも撮影されたはずだ
 忘れるべき記憶を想い出させる残酷な機械
 機械的に忘れてゆく非情なる記憶のシステム
さほど遠くはない公園から歩いてきた男の影が重なる
逢瀬の時間が人気のない土手で始まるだろう

歩くなら雨の日をと涙を流して訴える
岩肌に傷付いた血を塗り渡しながら忘れられるけれど
想い出される残酷さだけが恋を語り続け
愛までをも求め続けている
 開け放たれた窓から忍び込む忘れたい恋人
 恋人を惹き付けるために閉じられたままのドア
不毛さを薄暗い部屋の中で飼い迎える夕暮は曇天で
私達には知らされない夕暮で
漂う哀しみは偽りだけを養っている

雨を透過し続ける屋根の上で猫は泣く
帰る先を持ったことを嘆きながら屋根に泣くのだ
夜を告げる泣声を、私達は知っている
 ブラインドを落とせば世界は消える
 ブラインドを落とせば私も消える
暗い部屋からだけ見える夜空がある
飼い猫の泣声が響き月が割れる夜空
折れた骨の軋みがメロディアスに楽しまれる夜空
マチェーテを振りかざす女の踊る時間
男は重なった影を離すに離せない
死の訪れる夜は、決まってカーニバルが始まる夜である
2013-06-24 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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